拘りがあるコンサルタント・コーチは企業や社員を苦しめる

コンサルタント、コーチ業、顧問業に携わっている方は、プレイヤーとしての現役時代にそれなりに成功を収めた方が多い。

自分が現役時代の成功手法や成功体験を語り、アドバイスをしていたとしたらその企業の社員は例外なく苦しむ。

その理由は、そのアドバイスはその時代のベストソリューションであり、端的に言うと時代遅れの手法やメソッドに過ぎないからだ。

メソッド、ノウハウは時代と共に変化し陳腐化する。特に変転変化・進化の激しい昨今において数ヶ月前のメソッド・ノウハウですら有効ではないケースも見受けられる。

まして、経営や会社のあり方も多様化する昨今において、ベストな経営手法・メソッドなど存在しない。部署単位で見たときに、ベストな営業手法・メソッドも存在しない。

そんな昨今において、優秀なコンサルタント・コーチ・顧問の定義が一つだけ存在する。

それは、自分が現役時代の成功体験を捨て、今この時代、この瞬間にベストな手法で且つ今自分がお預かりさせて頂いている目の前のクライアント企業にとってベストな手法を提案できるかどうかだ。

ただし、コンサル・顧問・コーチを招聘する際に、上記が出来るかどうかを見極めるのは困難である。

たった一つ見極める方法として、対話の中で「拘りがあるかないか」を見極めることしかない。

拘りの無い人であれば、自身の現役時代の成功体験や他社顧問先の成功体験に縛られることなく、自社と時代にあった提案やアドバイスをしてくださるはずだ。

拘りの強い顧問・コーチ・コンサルの場合、仮にある一つの側面は極めて優秀で常に最新の時代背景に合わせたメソッド・ノウハウを持っていたとしても、同業他社で成功している事例への拘りが強く顧問先を苦しめるケースもある。

こだわりは停滞を生み出し、結果として働く社員の不満となり会社を衰退させる要因となる。

現役時代にとてつもない成果を叩き出した顧問、コンサル、コーチ

有名なコンサルティング・ファーム出身の顧問、コンサル、コーチ

誰もが知るコンサルファームにコンサルを依頼する

依頼した企業の何割が満足の行く成果を得られただろうか?

顧問、コンサル、コーチを招聘する際は、ネームバリューや実績だけではなく、対話から「拘り」がある方なのかどうか見極めて欲しい。

拘りは執着であり、四苦八苦を生む。自身だけが四苦八苦するのであればまだ良いのであるが、コンサル・コーチ・顧問業の方の四苦八苦はクライアント企業やクライアント企業の社員へ伝染する。

自分自身の正しさ・拘りは手放した上で、過去の成功体験やビジネスとして成功されてきた基礎・基盤をうまく応用し、クライアント企業に合わせて、今の時代背景にも沿った内容に料理してアドバイスをお届けできるかどうかが、今後コンサル・コーチ・顧問業として生き残れるか、選ばれる存在であるかの分岐点になると思う。

時代は空前のコンサル・コーチ・顧問バブルであると私は感じており、私のように独立1年目のコンサルタントであっても、新規の営業をする必要が無いくらいお声がけは頂いている。

それは私が優秀なのではなく、今たまたま時代背景のニーズが多くある。それに過ぎない。

このバブルが終わったときに、本当に優秀でクライアント企業に貢献しているコンサルタントは変わらず指名が入り続けるし、そうじゃないコンサルタントは淘汰されていく。

どんなビジネスや事業形態、職種もバブルな時期・波に乗りやすい時期・時代が存在し、その期間の成功を自分の実力と勘違いした時点で終わる。

時代・時流を正しく見極め、こだわりを捨て、常に流動する意識を持ち、謙虚に基礎を大事にしていきたいと自戒の意味も込めて。

ASX株式会社 蓼沼康之