安定を求めれば求めるほど不安定になっていく
「売り上げを安定させるためにサブスクの割合を増やしましょう。」
「サブスクをサービス化しましょう。」
「解約されにくいサービスを作りましょう」
「そういう契約にしましょう」
昔は私もそう思っていましたし、そうなるための行動もしていました。
恐らく、多くの企業や組織人がこれにチャレンジし失敗しているのではないでしょうか。
その理由を今日は解説したいと思います。
手段と目的があべこべになってしまっている
サブスクで経営を安定させることは、目的ではなく手段です。
それなのに、目的とはき違えることで、良いサービスが出来なくなります。
全てのサービスをサブスクにするのは間違いで、そのサービスにマッチした形があります。
お客様により良いものを届けて喜んで貰う、他者を楽にすることが仕事の目的です。
それなのに、経営を安定させるのが目的になった瞬間、他者を楽にするのではなく契約で苦しめることになります。
携帯電話の2年縛り、更新月が2年のうち1、2カ月しかないこれなんかがいい例です。
LINEモバイルなんかがここに気づいて、最低利用期間がなかったり、解約月も存在せず、解約手数料も1000円と安価にしている点など、時代は変わりつつあります。
本当にいいサービス、適正価格のサービスは解約されない
本当にいいサービス、適正価格のサービスは解約されません。
仮にサブスクのような契約形態ではなく、都度お金を支払う方法であっても継続的にご注文を頂けます。
もちろん様々な事情で100人いたら全員解約しないか?というとそれはさすがに無理ですが、十分安定に値するリピートオーダーが期待できます。
解約されにくい仕組みや、契約期間を1年にするか2年にするかみたいなシミュレーションに頭を悩ませている暇があったら、お客様の役に立つ、お客様をらくにするかを考えた方がよっぽど得策です。
ただし、このサービスは〇年間お客様と伴走することで、お客様の成果に結びつくその〇年間の適正な期間のシミュレーションに時間を割くのはとても素敵なことです。
サブスク、契約期間に目が眩み機会損失するバカ
解約されにくい仕組み、一度契約したら〇年間はお金がチャリンチャリンと入る仕組みを考え、あたかも俺は優れているビジネスマンだと自己満足をするバカが一定います。
このバカは、解約されにくい仕組みの反対側にある、契約しすいという陰を想定していません。
ただし、ここを突破したのが数年前までの携帯電話会社の乗り換え合戦だと私は分析しています。キャッシュバックや本体代金の実質無料など、目の前の人参で多くのユーザーをだましてきました。私も騙されたうちの一人です。
ただ、この件についてはキャッシュバックや本体代金無料の恩恵が非常に大きく、2年間の契約縛りや2年に1回しかない解約月以外を逃すと、1万円を超える解約金が掛かる件についても十分に契約時のメリットでカバーできていたと思います。
そう考えると、せめて解約しにくい仕組みを作るなら、契約時にすぐに感じられるメリットが無いと顧客獲得は非常に難しいと言えます。
当社は、契約期間を撤廃しました。
※まだサイトの更新がおいついていないので、一部サービスで契約期間の縛りが書いてるものもありますがご契約時に契約期間が無い旨はお客様にお伝えしています。
コンサル契約、顧問契約は当初最低でも半年~1年の契約の縛りでやらせて頂いておりました。
ところが、ある日不安定さの中にこそ安定があると気づき契約期間を撤廃しました。
単月契約、単月更新です。
お客様にその旨を話すと驚かれますが、契約して頂ける確率が爆発的に上がりました。
そして、金額も適正金額を心掛けているので解約がありません。
契約書上は単月契約でも、経営が安定していきます。
気づけた背景
通っている経営者向けの塾で、メンターの先生から「水は流動するから清らか」というお言葉を頂きました。
この言葉に触れた時、日々変転変化していくものを無理やり契約で縛ろうとするから濁るのだ、うまくいかないのだと気づけました。
不安定の中にこそ安定があり、流動するから清らかである。
これが当社の経営方針の一つです。