悪い取引先を引き寄せない方法
要望が細かく、当たりの強い取引先に困っている。
経営者や営業パーソンの苦しみではよく耳にします。
私も未熟だったころは、当たりがパワフルだったり、無茶な要求をしてくるお取引先様に四苦八苦した経験があります。
規約や契約書を徹底的に見直して取引開始後無茶な要求をされないよう、表層的な工夫は何度も繰り返しました。
結果、あまり意味はありませんでした。
書類にしっかり書いてあっても「ごめん見ていなかったからこの条件は無理。歩み寄れよ それがビジネスだろ」と一蹴されてしまいました。
言い争いになること、ときに相手をねじ伏せてしまうこともありましたが、そのような行為からは、勝っても負けても良い因縁は生まれませんし、とにかく疲れます。
世の中には被害者と加害者 ⁺ どちらにも属さない凛とした人がいる
「当たりの強い取引先に困っています」この話をしている人は被害者の立場になります。
なぜなら色々苦悩して、想い悩まされた。誰から?取引先から。「私が被害者で取引先が加害者です」
「私は悪くありません、悪いのは非常識な取引先です」
この世界観で物事を観ていると「取引先に私は支配されています」ということになります。
ここで、勝ち負けゲームに走り取引先を様々な手法を駆使し言いくるめる、つまり勝って支配すればいいのか?は違います。
いじめの構造に似ている
いじめは、いじめられっ子がより弱いものをいじめる構造でいじめが発生します。
本当に強いものはいじめられないし、いじめもしません。
絶対的にあります。
パワフルで理不尽な対応をしてくる担当者が、まさにこの構造にあります。
彼らは取引先である、あなたの会社に、あなたの会社の担当者にどうして理不尽な要求や、パワフルな対応をしてくるのか
彼らに対し理不尽な要求やパワフルな対応をしている人がいるからです。
まさにいじめの構造と同じです。
私自身、20代の頃 発注先に対して無理な要求をしてしまったことがあります。
なぜかというと結果を出さないと激しく叱責されたり、クビになってしまう会社にいたからです。
先方の担当者からすれば、怖い取引先の人だったと思います。
でも、その一見怖そうに見えていた(加害者)私は所詮会社から、いじめられていた弱者(被害者)だったのです。
精神的に支配して物理的には支配しない
まず精神的優位に立つために、このいじめの法則を理解して、理不尽・パワフルなあたりをしてくる企業や担当者は被害者なのだというものの見方をします。
表層的な、威圧的な態度や言葉だけに惑わされず
「何におびえているのだろう」
「何に苦しんでいるのだろう?」
「売上が追い込まれているのかな?
「社長さんが怖く高い要求をしてくる人なのかな?」
と俯瞰することです。
パワフルなあたりで取引先をコントロール(支配)してきた人は、恐怖による支配のやり方しかメソッドが無いため、あなたが凛としているだけで支配能力を失います。
その先は、あなた自身が表層的ではなく、自分の言葉で自分の想いを語れるようになれば相手はあたなことを凛とした絶対的存在として認めます。
あなたに惚れて 「あなたじゃないとだめだ」となります。
こうなると、パワフルで当たりの強い取引先あとあなたの関係は、いじめっ子、いじめられっ子の関係でなくなってしまうので、あなたに協力してくれる良い取引先になります。
つまり、悪い取引先そのものがいなくなってしまうのです。
実話に基づいています
私は会社員時代2社で営業部長をしていました。
この話はその時の実例です。
1社具体的な話しをすると、大手企業でなかなかパワフルな会社があり、私も部下も担当者の強い当たりに苦しんでいました。
未熟だったあのころは「むかつくよな~ ほんと売上あれだけもらってなかったらぶんなぐってやりたい」とかお酒を飲みながら愚痴をいっていました。
しかし、私たちが被害者面をするのは間違っていることに気づき、凛とした絶対的な存在であること、相手の担当者の痛みや恐怖に寄り添い共感することを始めました。
最初はうまくいきませんでしたが、改善しながら継続していくうちに徐々に効果が表れ始めました。
最終的に取引先の会社や担当者は変わっていないのに、担当者からのパワフルな対応が無くなり、企業規模格差(僕の当時の勤務先が零細で取引先は超大手)を全く感じさせない対等な良い関係が構築出来るようになりました。
物の見方を変えて、相手に共感する、感情の機微に寄り添うことが出来れば、悪い取引先というものを排除するという考え方ではなく、すべての取引先が良い取引になるという構造になります。
取引先からの理不尽な要求やパワフルなあたりで疲弊している経営者や、営業パーソンの方の少しでも参考になれば幸いです。