WBC栗山采配 覚悟を決めて信じ抜くことで得られる爆発的な成長

「社員や部下を最後まで信じ抜きましょう」コンサルタントとしてよく経営者に伝えている私の言葉は、所詮口だけのただのきれいなだけの言葉だったことを痛感させられたのがWBCの栗山采配

アマチュア野球とはいえ野球の監督の経験もある分「村上選手のところで代打をと何度も思った」

特にビハインドで負けたらあとがないメキシコ戦では、何度も「山川選手を代打で」と叫んだ。

1点差で負けている最終回無死1,2塁で次の打者は村上選手「送りバントのサインを出せ」と叫んだ

勝つためには手段を選ばなかった昔の自分が顔を覗かせていたの間違いない。

送りバントの気配もなく正直な所、栗山監督の采配に懐疑的でしかなかった。

その何秒後だろうか。私も他のにわかファン同様に「村上選手すげー」と手のひらを返した。

次戦のアメリカ線での本塁打は完璧な本塁打。飛距離・打球速度共に覚醒、まさに爆発的な成長と言える一発だった。

村上選手をスタメンから外したり、代打を出していたり、送りバントをさせていたAnotherの結果はわからない。でも確実に言えることは、大会中の爆発的な成長・覚醒は得られなかったと思う。

一般企業でも最後まで社員や部下を信じぬき、爆発的な成長を手にすることができたら・・・ 売上は間違いなく安定的に伸びていく。

よし、栗山監督を見習って最後まで信じ抜こう・・・と単純には行かない。なぜならリスクはある。

今回の村上選手の例でいえば、最後まで信じぬいても結果が出なかった場合は当然叩かれ、責任を追求されるのである。

一般企業で言えば、役職者なら評価に影響が、経営者であれば売上に大きな影響が出ることもあるだろう。

それでも長期スパンで物事を捉え、たとえこの大会で、たとえ今期ダメでも信じ抜く。責任も批判も全て受け容れるという世界に立てたとき、言葉では言い表せない、圧倒的な絶対性の中で生きることになるのだろう。

自分が腹を括って、出た結果に対して何を言われようが、どう思われようが気にならない。それすら必要な体験だと割り切れるのかもしれない。

今回の村上選手への栗山采配から学んだことは、人を信じ抜くという技量が私はできているつもりで、全然できていなかったということ。

覚悟も腹のくくり方も全然足りていなかったこと。

批判なんてくそくらえと言っていたのも口だけで、まだまだ成果結果や他者からの評価を気にしていたこと。

信じ抜くことには勇気も度胸も、批判の捉え方ももっともっとレベルを上げないといけない。

栗山監督はWBC終了後に出てきた采配にケチを付ける記事なんて、きっとなんとも思ってないんだろうな。

そしてWBC終了後に監督業の勇退を明言しており、今回の腹を括った采配をするためにはなから勇退を決め、保身に走らず全てを手放す覚悟でやったからこそ、誰にも真似できない圧倒的な栗山ワールドを展開できたのだと思う。

そんな栗山英樹監督を心から尊敬し、間違いなく数少ない帝王の一人であり、栗山監督が村上選手を(もちろん他の選手も)信じぬいた覚悟と行動を模倣させて頂きたい。

栗山監督大変お疲れ様でした。世界一改めておめでとうございます。