捕手の役割の変化から学ぶ

私は『捕手の役割』こそ時代とともに野球の役割の中で大きく変わったと感じています。

年々打てる捕手が減っていることは周知の事実です。

サインや連携の複雑化や、日本の野球も事細なデータを取り入れるようになり、捕手が打撃練習に避ける時間が減っているのが原因のひとつという記事もありました。

それでも近年においてでも、西武の森友哉捕手は首位打者も取ったし、稀に見る強打の捕手であることは間違いありません。
一昔前の、城島・古田・阿部と比較したら成績は落ちますが、ソフトバンクホークスの甲斐拓也捕手の2019年の2割6分 11本打も近代野球においては充分な理想的な捕手の打撃成績だと思います。

前述した森友哉捕手が首位打者を獲得したのは2019年。翌年の2020年は打率2割5分台、本塁打9本と、近代野球の打てる捕手止まりの成績になりました(とはいえ、捕手としては充分です)
甲斐拓也捕手も、20年・21年よ二桁本塁打は継続したものの打率は2割1分~2分と他球団の捕手と同じくらいの打率になっています。

そして、2022年7月18日時点での打撃成績は、森友哉捕手(打率.242 本塁打2本)。甲斐拓也捕手(打率.181 本塁打0本)となっております。
巨人の大城卓三捕手も打てる捕手の部類ですが、同様に2021年以降は前年よりは打撃成績を落としていますね。

森友哉捕手に関しては、コンバートの噂もちらほら出てきました。

個人的な見解としては、数十年に一人の例外(野球界全体で言う、大谷翔平選手やイチロー選手のような規格外の選手)を除いて、阿部選手や城島選手ほどの打撃成績を残す捕手は現れないと思っています。少なくとも同じ時代に3割や30本を打てる捕手が複数人いる時代はこないと断言しても良いです。
それくらい、役割が変わったんだなと感じます。特にここ数年でそれが加速しているなと。

会社員の仕事でも感じる近い波

会社員の仕事もひとつひとつの仕事が高度化しているように感じます。10年前私は新規事業の立ち上げ責任者をやりながら、部のマネジメント、プレイヤーとして営業の数字でも6割以上を作り、広報も行い、広告やPOPのデザインや作成からSNSマーケティング、契約プロのマネージメント業務、一部の顧客のECコンサルに加え、商品開発を一人で行っていました。

凄いだろ?と言いたいのではなく、10年前の仕事の精度と現在の仕事の精度が全く異なるから、今同じことができるかといったら多分出来ないんです。

仕事の精度、もっと正確な表現だと粒度の方がよいかもしれませんが、仕事が大きく変化しているんです。

それでもその変化に気づかず、現代でも捕手に打撃を求めたら酷なように。

会社員でも「俺の若かったころはな」とか「自分がプレイヤー時代は出来た」とか求めること自体がおかしいんです。

多様性を求めなくても、勝手にいろんな点と点が繋がる時代になっているので、役割に集中し役割を全うした方が良い時代になっていると感じます。

いっぽう目の前のことに集中できない環境だったり、ノイズを与えるようなマネジメントをしてしまう会社は人が去っていくと感じます。

時代の変化は、少しづつ少しづつ変わり、でも確実に変化していることに気づかない者は『茹でガエル』のように手遅れとなります。

今こそ、どうでもいい仕事を削ぎ落とし、真に必要なことだけに集中することが求められる時代です。