会社、社長、上司、社員、部下に不満があるのが当たり前という世界観に立つ

経営者に対する社員が抱く不満。その対局にある社員に対する経営者が抱く不満。どちらに課題があるのか?100%100:0は無いし、一見傍若無人に見えるブラックな経営者であったとしても割合に大きな偏りは無いのかもしれないと思うようになってきた。

私はコンサルタントとしていろんな会社の人間関係模様を見てきた。課題の99%が人間関係と言っても過言ではない事実を突きつけられた。幸いにも師からものの見方や本質を学んでいたため、そこを表面的なメソッドで解決しようという行動はしなかった。

従業員に捉え方、球体思考を口伝することで、組織の人間関係を緩和することにも成功してきた。同時にコンサルタントとしてクライアント企業のステージを何社も上げてきてが、それでも消えない人間関係や会社に対する不満。

今自分が会社員に戻ったらー という問いを投げかけた時、一つの答えが帰ってきた
「会社、経営者、上司に対して感じる不満を解消・改善しようとするのではなく、不満があるのが当たり前という世界観に立ち、その上で目の前の仕事に一所懸命全力を尽くす」
「自分が管理職なら、部下に不満があるのが当たり前という世界観に立ち、不満をぶつけるのではなく、小さなことは気にせず100%守るという世界観で接する」

むしろ、不満という“揺れ”を楽しむ。揺れている間が一番ステキなんだよというZARD坂井泉水さんの世界観を観る。

何故ならば、一切の不満が無い会社は豊かだろうか?という世界が観えたからだ。

先日、とある会社員から、同じ役職の別の部門長から裏切られたという愚痴を聞かされた。一緒に会社を変えるために戦いましょう。私とあなたは一心同体ですという契をかわしたのに、翌日の会議で手のひらを返したように社長側につかれ、あなたに問題があると突きつけられたと彼は酷く傷ついていた。

これすらも、裏切られたのではなく揺れにすぎない、ただの必要な体験と割り切り受け容れることができたら、敢えて負けを取り、敢えて許し、圧倒的に凛としていた時に大きくなにかが変わると思う。

本当に強いものはイジメもしないし、イジメられもしない。加害者にも被害者にもならない絶対的なポジションにいる。

会社に不満があるのが当たり前という世界観で見れば、日本に対して政治や税金面など不満があるのが当たり前という世界観に立てる。妻や子どもに不満があるのも当たり前、更に人生に不満があるのすら当たり前という世界観に立ち、それでも一切の手を抜かず、やるべきことに真剣に向き合い全力を尽くしたら・・・ きっと殆の人がたどり着けないステージに上り詰められるのではないかという確信がめいたものが降りてきた。

だから、私は経営者としては自分の会社の社員が会社や私に不満を持っているのが当たり前とう世界を観ながらも、社員を全力で守る。

この記事の執筆者 蓼沼康之

ASX株式会社 代表取締役
構想策定・DXコンサルタントとして数多くの企業のDXを推進する中で、DXの課題は人にあることにたどり着き、働くひとのマインドのX(Transformation)に注力するようになったことがきっかけで、HRコンサルタントしても活躍の幅を広げ、採用や定着、多くの企業の組織のスケールや、役員や№2、管理職の育成に成功。経営者の悩みに寄り添うメンターとしてのお役目も多数の経営者から頂いている。
奪う合う組織ではなく、与え合う組織を創ることをコンサルティングのモットーとしている。