西武ライオンズ森友哉選手の苦悩
西武ライオンズの森友哉捕手は、2019年守備負担の大きい正捕手として打率.329 本塁打23本 打点105 という圧倒的と言える成績を残し首位打者&MVPに輝きチームをレギュラーシーズンの優勝に導きました。年齢は2020年10月現在でまだ25歳。この先レジェンド級になることを誰も疑わなかったでしょう。
ところが、2020年10月2日が終了した時点で打率.249 本塁打7本と低迷しています。 実際現代野球において捕手というポジションを考えれば十分な打撃成績ともいえますが、守備面での不調も顕著で、ディフィンス能力も低く、オフェンス能力もパッとしない並みの捕手という成績に甘んじています。
今回は現在の森選手の現状を、ビジネスに置き換えて考察したいと思います。
元々リードはあまり定評が良くなかった
捕手のリードは評価が難しいところではありますが、もともと森選手のリードが凄く良いという評価はあまり聞いたことがありません。
2019年に亡き野村監督からは、森のリードは理解できないとの批評があったほどです。
森選手は細かいコントロールを必要としないパワー型・速球派投手との相性は良いと言われています。
一方で細かいコントロールで勝負する技巧派投手との相性に難があるとの評価をよく目にします。
カウントとか球審のストライクゾーンへの配慮が甘く、際どいところばかりに構えて投手を苦しめているというのが私の個人的な見解です。
「際どいところばかりに構えて投手を苦しめている」
これが私の見解としましては、強打者故の捕手としての苦悩だと思います。
自分が打てるからどうしても、きわどいところで勝負していかないとダメ、甘いところに投げては打たれると要求が厳しくなってしまうのではないかと思います。
歴代の打てる捕手と言われた、野村さん、古田さん、城島さん、阿部さんたちはきっと自分も他者も客観視することができていたから、森選手のようなリードにはならず、打者としても捕手としても一流だったのではないかと思います。
「天才って大変なんだなぁ」
これ実はプロ野球の世界だけではなく、ビジネスでも結構あるあるなんです。
優秀な会社員が起業して苦しむポイントに似ている
自分で言うのもなんですが、私は会社員としては優秀な部類だと思います。
周りからは、「起業したら絶対にうまくいくよね。」「すごい会社になるよね」「働かせてほしい」と言われていました。
しかももともと2005年から会社員の側ら個人事業主としても活動していたので、私の身近にいる人たちは誰しも私の成功を疑いませんでした。
2017年満を持して法人化し、自分でもうまくいくと思っていました。
ところが、恐ろしいほどに上手くいかず苦悩しました。
今なら理由が分かります。森選手の今年のリードと同じで、優秀なビジネスマンである私基準のサービスやプロダクトばかり作っていたからです。
・森選手 カウントとか球審のストライクゾーンへの配慮が甘く、際どいところばかりに構えて投手を苦しめている
・蓼沼 市況とかユーザーへの配慮が甘く、際どい商品展開ばかりで自分を苦しめている
この商品を買うか買わないかが「自分視点」でしかみれていなかったのです。
そのため、ユーザーが手を出しにくいサービスに陥っていました。
私は自分を客観視するトレーニングを積むことで、本質はシンプルなところにあることに気づき、ようやくこの苦悩から抜け出すことができました。
優秀なビジネスマンがマネージメントで苦戦する図にも似ている
プレイヤーからマネージャーになった時、割と似た苦しみを経験する人も多いと思います。
「できる自分視点で部下を指導して部下が潰れる」→「潰れる部下を見て自己嫌悪に陥る」→「自信を無くしプレイヤーとしても狂い始める」→「退職」
この図式は正直何人も見たことがあります。
できる自分の正しさ、自分の頑張り方の正しさを突き付けることで部下を潰します。そして結果として自分を潰します。
ここでも必要なのは、いかに自分を、いかに相手を客観的に見られるかだと思います。
思い通りにならないことを思い通りにしようとしない
苦悩は思い通りにならないことを思い通りにしようとするところから生まれます。
委縮した心で行動すると委縮した行動になります。
満たされた心で行動すると満たされた可能性のある行動ができます。
この行動が結果を作ります。
今の森選手を見ていると委縮した心が、得意な打撃にも委縮した結果になってしまっているように見えます。
マネージメントで自信を無くして、プレイヤーとしての営業面に委縮してしまう営業マンもそうです。
満たされた心で行動すれば、きっと結果は大きく変わってくると思います。
心を満たすために、自分の機嫌を自分で取るために日々心の在り方のトレーニングを積むこと。自分を磨くことを継続することが重要だと私は強く思います。